マーケティング、コミュニケーション、リサーチ。

マーケティングの成功には、コミュニケーションとリサーチの両輪が必要です。マーケティングは売れる仕組み作り。コミュニケーションとリサーチは共にターゲットとの相互交流ですね。

リサーチは生活者との対話

マーケティングリサーチというビジネスに長年携わっていると、アンケート票(業界では調査票といいます)を見る機会は多いのですが、最近、というかこの数年ずっとこの調査票の質問数の多さに頭を悩ましています。

リサーチするという事は当然聞きたい事があるのわけで、あれもこれも聞きたくなるという気持ちはわかります。自社商品のブランドイメージ、購入理由、満足度、推奨意向、可処分所得、普段の情報収集メディア等など。あっという間に20問・30問・40問と質問が増えていきます。私が営業担当だった際にとある外資系コンサルファームからのお仕事では、100問を超える調査票も頻繁にありました。

そんな調査票を見るにつけ、調査票の向こう側にいる回答者、すなわち生活者のが全く見えていないのだなと寂しくなります。もしかしたらインターネットリサーチの功罪の罪の部分かもしれませんが、調査票を作ってメール配信したら”機械かなんかが勝手に答えを埋めてくれる”と勘違いされているのは?と思います。

もちろんそのような事はなく、アンケートに協力してくれる善意の回答者が生身で存在していて、一生懸命答えてくれているのです。彼ら彼女たちは自分たちの意見が商品や社会をより良くするならば…というモチベーションでアンケート回答をしてくれているのです。それが誰からの依頼なのか、どう活用されているのかも充分にわからない状況にも関わらずです。通常のコミュニケーションであれば、誰も見ず知らずの相手や初対面の相手に50問も100問も聞きません。質問ばかりが続けば関係性が悪くなる事くらいは誰でも理解できるでしょう。

 

-話しやすい話題から振る

-質問攻めにしない

-デリケートな質問は避ける

-話が長くならないように気をつける  等々。

 

コミュニケーションの基本として誰もがおそらくは実践している事柄が、アンケートを通すと全く守られていないのです。献身的とも言えるアンケート回答者の存在に、調査会社も調査主も無頓着だからこそ、非礼とも言える調査票を作成している事に気づかないのです。

 

リサーチは生活者との対話。コミュニケーション。

調査票は生活者とのコミュニケーションツール。しかも初対面同士。

 

そういう感覚が当たり前のように実践される世界を創らないと、

「アンケートを通して生活者の声を集める」という現在のビジネスモデルが破綻する日も遠くない。そう感じています。